世界共通の国際基準によって、医療機器は全部で4種類に分類されています。日本の医療機器も同様です。
今回の記事では、「高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)」をテーマに解説します。その特徴や必要となる許可、製造販売するための流れなどについて紹介しているので、ぜひ参考にして下さいね。
医療機器のクラスとその特徴とは
医療機器は4種類のクラスに分けられており、その基準は世界共通です。
分類の基準になっているのは、「医療機器に不具合が起こった場合に、人体に生じるリスクの大きさ」です。
【国際分類:日本の薬機法】
リスク小
↑
クラスⅠ:一般医療機器
クラスⅡ:管理医療機器
クラスⅢ:高度管理医療機器
クラスⅣ:高度管理医療機器
↓
リスク大
日本はもともと薬機法に基づいた3種類の分類のみでしたが、現在は4種類に分ける国際分類も導入されています。そのため、国内の情報では「クラスⅢ:高度管理医療機器」と併記されていることが一般的です。
一般医療機器(クラスⅠ)のようにリスクが小さいものは、製造販売のための許可取得も容易です。
管理医療機器(クラスⅡ)から規制が厳しくなります。
今回解説する高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)は、厚生労働大臣による審査・承認が必要です。具体的な手順については、後述する「高度管理医療機器を製造販売するための流れ」を参考にして下さい。
高度管理医療機器における必要な許可や具体例について
「クラスⅢ」「クラスⅣ」は、薬機法ではどちらも「高度管理医療機器」の1種類に分類されますが、国際分類では2種類に分かれています。
ここでは、「クラスⅢ」「クラスⅣ」のそれぞれの違いについて解説します。
高度管理医療機器(クラスⅢ)とは
「高度管理医療機器(クラスⅢ)」は、もしも不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられている医療機器です。
そのため、一般医療機器や管理医療機器よりも厳しい規制が設けられています。
高度管理医療機器(クラスⅢ) を製造販売するためには、「第一種医療機器製造販売業」の許可が必要です。第一種を取得すると、それ以外の医療機器も取り扱いできるようになります。
高度管理医療機器(クラスⅢ)の具体例
高度管理医療機器(クラスⅢ)の具体例は、下記の通りです。
コンタクトレンズ、汎用輸液ポンプ、透析機器、人工骨、人口呼吸器、放射線治療機器などです。
高度管理医療機器(クラスⅣ)とは
「高度管理医療機器(クラスⅣ)」の医療機器は、患者への侵襲性が高いため、不具合が生じた場合には生命の危機に直結するおそれがあるものです。
高度管理医療機器(クラスⅣ) を製造販売するためには、「第一種医療機器製造販売業」が必要です。
高度管理医療機器(クラスⅣ)の具体例
高度管理医療機器(クラスⅣ)の具体例は、下記の通りです。
人工乳房、植込み型心臓ペースメーカー、中心静脈用カテーテル、人工弁、吸収性縫合糸などです。
高度管理医療機器を製造販売するための流れ
高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)を製造販売するためには、認証や審査・承認などを受ける必要があります。
ここでは、そのための流れについて解説します。
【1】医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査・承認
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、2004年(平成16年)、医療機器をより効率的に審査・承認するために設立された機関です。
高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)は、このPMDAの審査・承認を受けることで取り扱えるようになります。
高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)の大半はPMDAでの審査ですが、それ以外のものも一部あるので、注意が必要です。
【PMDAの審査・承認の範囲】
クラスⅢ→大半はPMDA、一部は第三者認証
クラスⅣ→PMDA
クラスⅣはすべてPMDAで審査するため、迷うことなく申請できるでしょう。
クラスⅢはどちらに申請すればよいのかわからない場合もあるので、不安な場合はPMDAに相談して下さい。
【2】登録認証機関による第三者認証
厚生労働大臣の定める認証基準に沿って医療機器を認証する機関のことを、「登録認証機関」と言います。
高度管理医療機器(クラスⅢ)の一部は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)ではなく、この登録認証機関からの認証が必要です。
【認証までの流れ】
QMS適合性調査
書類等の準備期間:約4~6ヶ月
申請から認証まで:約2~3ヶ月
高度管理医療機器(クラスⅢ)の一部も、登録認証機関の認証なのか、PMDAの審査が必要なのか判断が難しいところです。判断がつかない場合は、PMDAかコンサルタントに相談することをおすすめします。
まとめ:高度管理医療機器に必要な許可は「第一種」
今回の記事では「高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)」について解説しました。
薬機法では1種類、国際基準では2種類に分かれているのでわかりづらいのですが、内容は同じです。
高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)を製造販売する際には、第一種医療機器製造販売業の許可が必要です。
それに加えて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認や登録認証機関からの認証なども必要になるので、余裕をもって準備することをおすすめします。
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