日本は世界一の超高齢社会であり、高齢者率は年々増加しています。これからの時代に向けてどのような医療機器を整備するべきか迷っている医療機関も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、「日本と世界の医療機器の市場規模」をテーマに解説します。
各地域で需要の高い機器、国際競争力のある分野とそのシェア率、中古医療機器の現状などについて紹介するので、ぜひ参考にして下さいね。
医療機器の市場規模 世界と日本について解説
医療機器の市場規模や需要が高い機器などについて、世界と日本それぞれ押さえておきましょう。
世界における医療機器の市場規模
医療機器の市場規模は、毎年成長を続けています。2015年時点では約40兆円だったのに対し、2020年時点には約50兆円にまで成長しました。市場規模はこれからも発展する見込みです。
医療機器は、各地域によって需要が異なります。ここでは各地域の状況や国際競争力などについて解説します。
【欧米諸国】
医療機器市場の売上高は、全体の8割強を先進国が占めています。どの国でも高齢化が進んでいるため、その年齢層に合った医療機器が必要です。
また、欧米系企業は主に治療機器やプログラム医療機器(SaMD)などの売上高が大きいことが特徴です。
【アジア諸国】
アジア諸国は、経済成長や生活様式の欧米化などにより、糖尿病や肥満といった生活習慣病患者が年々増加しています。そのため、フィットネスジムやサプリメントなどのヘルスケアにお金をかける人もずいぶん増えました。
そういった背景から、医療機器業界もアジアを魅力的な市場だと捉えています。1人当たりの医療費も増えているので、今後も市場は拡大するという予測が一般的です。
【アフリカ諸国】
アフリカ諸国の疾病は、これまでは感染症が大半でしたが、近年は生活様式の変化などによって生活習慣病も増加しています。アジア諸国と同じく、今後は健康維持や治療などに使われる医療機器の需要が増える見込みです。
日本における医療機器の市場規模
医療機器の国別売上高で、実は日本は2位にランクインしています。
ですが、1位のアメリカが40%強であるのに対して、日本は約7%と圧倒的な差があります。3位以下のドイツや中国とはほとんど変わりません。
日本が国際競争力を持っている分野は診断機器です。下記は、日系企業が世界でシェア1位を占める医療機器です。
軟性内視鏡:100%
超音波診断装置:35.8%
MRI:24.1%
参考:
2021年世界市場規模(経済産業省)
一方、日本は治療機器のシェアがかなり低く、1.0~3.0%程度に留まっています。
医療機器は、大きく分けて「診断機器」「治療機器」「その他医療機器」の3種類です。医療機器の市場で最も大きなシェアを占めるのが治療機器の約60%、次が診断機器の約20%です。
そのため、治療機器のシェアが低いと、全体的な売上高も上がらなくなってしまうのです。
さらに、欧米の大手企業はデジタル技術を活用したプログラム医療機器(SaMD)にも積極的に着手していますが、日本は承認や認証などについてまだ多くの課題が残っており、遅れを取っています。
世界では一般的!中古医療機器の市場
日本における医療機器の売上高がこれまで伸びなかった原因の一つに、「中古医療機器の売買が少ないこと」が挙げられます。
世界では、すでに中古医療機器の売買が定着しています。そのため、中古医療機器の売上も、医療機器市場全体の平均約7%のシェアがあります。
一方、日本はたったの約0.6%です。
日本では、平成17年4月施行の改定薬事法(現薬機法)にて、中古医療機器を流通する販売業者は、製造販売業者へ事前通知を行うことが初めて規定化されました。この規定により、中古医療機器の品質、有効性及び安全性が確保できるようになりました。
法整備がされた現在でも、医療機器を中古で売買してもよいのかどうか不安に感じる方もいらっしゃいますが、「薬機法施行規則第170条」できちんと守られているので、安心して下さい。
中古医療機器の売買が日本にももっと定着すれば、医療機関に色々な機器や設置台数を増やしたり、短いスパンで入れ替えることができたりと、様々なメリットがあります。
医療機器の購入や処分などを行う際には、ぜひ中古医療機器業者に依頼することも視野に入れてみて下さい。
医療機器の分類と具体例
医療機器は、主に「診断機器」「治療機器」「その他医療機器」の3種類に分類されています。ここでは、その特徴や具体例などを解説します。
診断機器
診断機器は、撮影した画像や体温などによって患者の病気やケガを確認するためのものです。
日本が国際競争力を持つ軟性内視鏡や超音波診断装置、MRIなどのほか、体温計や血圧計なども含まれます。
治療機器
治療機器には、疾病を治療するものと、身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすものの2種類があります。
具体例として、カテーテル、ペースメーカー、人工関節・人工骨・人工肺、低周波治療器、注射器などが挙げられます。
その他の医療機器
その他の医療機器には、眼科用品、歯科材料・歯科用機器、衛生材料・衛生用品などが挙げられます。身近なものには、コンタクトレンズや手術用手袋などがあります。
まとめ:日本の中古医療機器市場は益々活発に
これからの日本の医療機器市場を成長させるためには、中古医療機器の売買も大切です。
日本では薬機法により中古医療機器の安全性が確保されるようになってから、中古医療機器の流通は活発になってきています。コスト削減や、物資の有効活用、SDGsなどの観点からも需要が高まっているといえます。
中古医療機器業者を安全に利用するためには、医療機器等販売業と医療機器修理業許可証を取得しているかどうかを確認しておきましょう。
どちらも中古医療機器の修理・販売に必要不可欠なので、専門業者であれば必ず取得しています。公式ホームページに載せてあることが一般的なので、ぜひチェックしてみて下さい。
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