2016年から2030年の15年間を対象期間に、「世界共通の目標」として取り組まれている「SDGs」。2023年はその折り返しの中間年だったこともあり、ニュースや記事などで目にする機会が多い1年でした。
中古医療機器の売買によって、SDGsの目指す「持続可能な開発目標」に貢献することができます。
今回の記事では、「中古医療機器とSDGs」をテーマに解説します。中古医療機器の売買を通して、SDGsに貢献するための具体的な方法や注意点などを紹介します。
【1】中古医療機器で実現するSDGsとは?
最初に、SDGsとは何か、中古医療機器業界ではどのような形で貢献できるのかについて解説します。
(1)SDGsとは?
「SDGs」は、Sustainable Development Goalsの略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。教育・自然・平和などを17の世界的目標・169の達成基準に分け、「持続可能な=これからも続けてゆけること」を目指しています。
SDGsは、2016年から2030年までの15年間で達成すべき「世界共通の目標」として、2015年9月、国連サミットで全会一致で採択されました。地球上のほぼ全世界の国による採択であることから、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
参考:持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)
(2)中古医療機器でSDGsに貢献できる
そのSDGsを中古医療機器業界で実現する方法の一つに、「中古医療機器の売買」があります。
日本は中古医療機器の再利用(リユース)率がかなり低く、十分使える医療機器でも廃棄処分されています。処分方法を中古医療機器業者への売却に変えることで、SDGsに貢献できるのです。
現在、医療機器を廃棄する方法は下記の3種類です。
(1)メーカーによる回収【廃棄処分】
(2)産業廃棄物処理業者に委託【廃棄処分】
(3)中古医療機器業者への売却【再利用】
大半の医療機関は、(1)(2)の方法によって廃棄処分を選ぶことが一般的です。
徐々に中古医療機器の再利用も選ばれるようになってきたとはいえ、海外に比べるとまだ市場規模が小さいのが実状です。
(3)数字で見る中古医療機器の市場規模
国内における中古医療機器の市場規模は、現在0.6%です。海外の平均が約7%(市場金額約2,100憶円)であることに比べると、まだかなり小規模です。
ですが、中古医療機器業界は世界的に右肩上がりで、今後も拡大が予測されています。
SDGsなどを通して全世界で環境への配慮が高まっている今、「安全に使えるなら再利用しよう」と考える人が増えているのは当然の流れでしょう。
【2】中古医療機器とSDGs 利用の流れや注意点とは?
中古医療機器業者を利用する流れや注意点について解説します。
(1)医療機器を売るには
医療機器が法定耐用年数内の場合は、中古医療機器業者に売却することができます。主に、新しいモデルに買い替えたり、閉院や廃院といったタイミングが一般的です。
中古医療機器業者への売却は、安全かつ効率的に行うためにも、下記の手順がおすすめです。
(1)業者が「資格・許可」を取得しているか確認する。
(2)実績が多い・無料査定・全国対応などを行っているか確認する。
(3)相見積もりをとる。
法律を遵守して中古医療機器業者を開業するためには、「医療機器販売業の許可または届出」「古物商許可」が必須です。また、事業内容によっては「医療機器修理業の許可」や「貸与業」なども必要です。
取得した資格・許可は、企業の公式サイトに掲載されていることが一般的です。最初に確認しましょう。
次に、候補となる業者を数社絞り込みます。
日本の中古医療機器業界は比較的新しく、活発になり始めたのが2000年ごろからです。そのため、業界歴が10年から20年あれば、信頼できる目安の一つになります。
また、全国対応や無料査定などを行っている業者だと、契約までスピーディーに運びやすいでしょう。
相見積もりは、できれば3~4社まで絞り込んでからとることをおすすめします。比べることで、ある程度の市場相場が見えてきます。
(2)中古医療機器を買うには
中古医療機器業者から中古医療機器を購入するための、方法と注意点について解説します。
(1)業者が「資格・許可」を取得しているか確認する。
(2)実績が多い・全国対応などを行っているか確認する。
中古医療機器を購入する場合にも、最初に資格や承諾書などを確認しましょう。
ちなみに、インターネットオークションなどの出品者がこれらを取得していることはほとんどありません。承諾書のない製品は故障する危険性もあるため、購入はおすすめできません。
まとめ:ぜひ中古医療機器業者の買取も選択肢に
医療機器を処分する際、毎回メーカーによる回収を選んでいた方も、次回からは「中古医療機器業者への売却」を検討してみてはいかがでしょうか。
中古医療機器の再利用は、SDGsに貢献できるだけではなく、自院の利益にもなります。LINEなどで無料査定できる業者も増えているので、ぜひ気軽にご相談ください。