「マンモグラフィー」は、乳がんの早期発見装置として大切な役割を担っている医療機器の一つです。その必要性を疑う人はまずいないでしょう。
今回の記事では、「マンモグラフィー装置」をテーマに解説します。
マンモグラフィーを設置するメリット、種類、国産製品の需要や選び方など、様々な観点から紹介します。
マンモグラフィー装置とは?
「マンモグラフィー(乳房X線検査)」は、医療機関ではなじみ深い医療機器の一つで、乳がんのX線撮影装置の中でも、特に早期発見に役立ちます。
乳がんは、初期のうちは自覚症状がほとんどないため、発見されたときにはすでにステージが進行していることも少なくありません。また、胸のしこりや痛みなどは乳がん以外でも起こることもある症状なので、乳がんの発見が遅れてしまうことがあります。
そのため、多くの医療機関で、30代後半からは自覚症状のあるなしに関係なく、乳がんの定期検診を推奨しています。乳がん検診の方法としてはマンモグラフィーと、視診・触診による検査があります。
乳房超音波検査とはどう違う?
「超音波検査(エコー検査)」とは、乳房に超音波の機械を当て、その反射波を画像に映し出すことで内部の様子を確認する検査です。「しこり」の状態を詳しく調べられる点が、マンモグラフィーにはない大きなメリットです。
超音波検査では、しこりを発見するだけではなく、そのサイズや硬さなども調べることができます。
また、放射線を使わないため被ばくのおそれがなく、妊娠中でも検査を受けられます。微量でも被ばくに不安を感じる人にも勧めやすい検査です。
超音波検査のメリット・デメリットは、下記の通りです。
【メリット】
・しこりの状態について細かく検査できる。
・放射線の被ばくがないので、妊娠中でも安心して検査を受けられる。
・マンモグラフィーのように乳房を圧迫しないため、痛みがなく、これまで検査を敬遠してきた人でも受けられる。
・検査時間が短く、10分程度。
【デメリット】
・乳がんの石灰化を見つけることは難しい。
・がん以外のしこりも映し出されてしまうため、医師や検査技師などのスキルが問われる。
マンモグラフィーを設置するメリットとは
近年、日本では高齢の乳がん患者が非常に増えており、その数のピークが40代後半から60代後半へと変化しています。
高齢の方は自分でしこりに気づくことが多く、マンモグラフィーにもくっきり写るため、乳がんを発見しやすい点が特徴として挙げられます。
そのため、超高齢社会の日本では、高齢の利用者が多い医療機関であればあるほど、マンモグラフィーを設置するメリットも多いと言えるでしょう。
マンモグラフィー装置の種類3つ
マンモグラフィー(乳房X線検査)は、大きく分けて3種類あります。ここでは、各装置のメリット・デメリット、将来性などについて解説します。
〈1〉デジタルマンモグラフィー
「デジタルマンモグラフィー」は、撮影した画像情報をデジタルデータにして、診断や保存などを行う装置です。
従来のフィルムよりも被ばく量を抑えられるメリットがあります。
現在のマンモグラフィー検査で用いられているのは、主にこのデジタルデータマンモグラフィーです。その上で「2D」「3D」といった装置に分類されます。
〈2〉3Dマンモグラフィー(トモシンセシス)
「3Dマンモグラフィー(トモシンセシス)」は、少しずつ角度を変えてX線を複数回照射することで、乳房を立体的に撮影できる装置です。
2Dのマンモグラフィーでは確認できなかった乳腺組織周辺をクリアに撮影できることが、3Dの大きなメリットです。
デメリットは、機器によっては2Dのマンモグラフィーよりも被ばく量が増えてしまうことです。ガイドラインの範囲内ではありますが、不安を感じる患者さんもいるため、注意が必要です。
〈3〉マイクロ波マンモグラフィー
「マイクロ波マンモグラフィー」は、日本で開発されている、乳がん検査のための最先端機器です。2022年8月の時点では臨床試験段階でした。
マイクロ波マンモグラフィーは、X線を用いないので被ばくや痛みがなく、スキルがなくても高精度な画像を撮影できます。
マンモグラフィーと乳房超音波のデメリットをどちらもカバーできるため、世界中が実用化を待ち望んでいると言っても過言ではないでしょう。
参照: 国立がん研究センター がん情報サービス「臨床試験情報」
国産マンモグラフィー装置の販売やシェアはある?
日本企業の医療機器は、診断装置に関して一定の国際競争力があります。特にX線装置に強く、マンモグラフィー市場にも2社がランクインしています。
・キャノン(旧東芝)
・富士フイルム
「検査するなら日本のメーカーがいい」という患者さんが多い場合は、この3社から選ぶのもおすすめです。
さらに、前述の世界最先端であるマイクロ波マンモグラフィーも神戸大学の教授が創業した日本企業による開発です。
そのため、国産のマンモグラフィーはこれからも十分な需要があると言えるでしょう。
まとめ:マンモグラフィーは利用者の年齢層で選ぶのもおすすめ
乳がんは、高齢の方のほうが早期発見しやすいことが一般的です。
ですが、せっかく自分でしこりに気づいても、「マンモグラフィー装置は被ばくする」という不安があるため、検査を受けられない方が多いのが実状です。
被ばくに対する不安はどの年齢層にもありますが、高齢になるほどその傾向が強くなります。そのため、不安をやわらげる働きかけだけではなく、機器選びも重要です。
高齢の方に利用してほしい場合は被ばくの量、あまり抵抗がない世代が多い場合は精度重視など、利用者の年齢層に合わせた装置を選ぶこともおすすめです。
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