毎年11月末から12月初めにかけて約一週間開催される「RSNA(北米放射線学会)」。放射線医学界で最も大規模な学会のため、大勢の医師や企業関係者などが参加します。
2023年のRSNAは、11月26日(日)から五日間開催され、今年で109回目を迎えます。本記事では、そんなRSNAについて、その役割や開催地・日程、出展情報などを改めて解説します。
【1】RSNA(北米放射線学会)とは?概要を押さえよう
最初に、RSNA(北米放射線学会)の役割や日程といった概要について紹介します。
(1)RSNA(北米放射線学会)の役割とは?
「RSNA(北米放射線学会)」とは、毎年11月末~12月初めごろに、約一週間米国のシカゴで開催される国際的な学会です。最先端の学術や技術などが集結し、海外からも大勢の参加者が訪れます。
1915年の初回以降毎年開催されており、今年2023年で109回目を迎えます。
歴代の米国大統領や著名人による講演も行われることから、政治的にも大きな意味合いがあることが窺えます。
(2)RSNA(北米放射線学会)2023のテーマ・日程・開催地
2023年に開催されたRSNA(北米放射線学会)の概要は以下の通りです。
2023のテーマ:“Leading Through Change”
日程:2023年11月26日(日) ~ 2023年11月30日(木)(技術展示は29日(水)まで)
開催地:マコーミックプレス(シカゴ/米国)
(3)RSNA(北米放射線学会)の出展対象品目は?
RSNA(北米放射線学会)では、学会以外にも、放射線機器の技術展示も同時開催しています。大手メーカーやスタートアップ企業などが合計500社以上出展しており、最先端技術を直接経験できます。
RSNAは、放射線機器のほかにも多岐にわたる品目を出展できることが特徴です。2022年には、AI、3D印刷、データセキュリティ、ハードウェアなどが出展されました。
特にAIは注目度が高く、企業展示ブースには専門エリアも設けられています。
最先端技術であるAIは放射線との親和性が高いため、放射線医学界では、今後臨床医療でもこの二つが組み合わさり、重要な役割を担ってゆくという見方がなされています。
【2】日本の放射線メーカーも出展している!
11月26日(日)〜29日(水)の四日間開催される技術展示には、日本の放射線メーカーも出展しています。
2022年の出展メーカーとその製品は、下記の通りです。
【キヤノンメディカルシステムズ】
MRI:画像再構成技術「AiCE」
CT:AIを活用する超解像やノイズ低減などの先進技術
ヘルスケアIT:「Vitrea」の最新アプリケーション“Open Rib”
X線:CXDIシリーズと組み合わせ可能な回診用X線撮影装置「Mobirex i9」
超音波:「Aplio i-series / Prism Edition」実機によるLive Scan
【富士フイルム】
ヘルスケアIT:「SYNAPSE」のMicrosoft Edge正式サポートなど
ウィメンズヘルス:圧迫自動減圧制御機能“なごむね”搭載の「AMULET Innovality」
【富士フイルムヘルスケア】
MRI:1.5T超電導MRIシステム「ECHELON Synergy」
CT:“Cardio StillShot”を実装した「SCENARIA View FOCUS Edition」
超音波:“DeepInsight”搭載装置2機種
【シーメンスヘルスケア】
MRI:超高傾斜磁場強度を有する「MAGNETOM Cima.X」
CT:世界初のフォトンカウンティングCT(PCCT)「NAEOTOM Alpha」
核医学:SPECT/CT「Symbia Pro.specta」
ヘルスケアIT:「AI-Rad Companion」のアプリケーション
X線:ワイドアングルでのトモシンセシスを実現する「MAMMOMAT Revelation」
【GEヘルスケア・ジャパン】
CT:「Revolution Apex Elite」
核医学:半導体検出器PET/CT「Omni」
超音波:「LOGIQ E10シリーズ」「LOGIQ Fortis」
MRI:「SIGNA Victor」
X線:外科用CアームX線撮影装置「OEC」シリーズ
【フィリップス・ジャパン】
超音波:据え置き型「EPIQ Elite」、携帯型「Lumify」など
MRI:「MR7700」実機
CT:スペクトラルCT「Spectral CT 7500」
【コニカミノルタ】
ヘルスケアIT:「Exa Platform」
超音波:連続2時間使用可能な「SONIMAGE MX1 Platinum」
X線:ワイヤレスDR「AeroDR」シリーズ新製品など
【島津製作所】
X線:血管撮影装置の最上位機種「Trinias」など
また、2023年にはボンドジャパンも、日本の中古医療機器(used in Japan)を海外に輸出する企業をアピールするために出展しました。
日本ではまだ少ない中古医療機器の修理・販売を行い、世界中に輸出しています。
まとめ:RSNA(北米放射線学会)で見られる日本の最先端
RSNA(北米放射線学会)には、毎年世界中から医師や企業関係者などが参加します。
日本のメーカーは、世界における放射線医療機器のシェア率が高いため、RSNAにも最先端技術で作り上げた製品を出展しています。
企業サイトやRSNA公式には、現地のブースを撮影した動画がアップされていることがあるので、ぜひチェックしてみて下さい。