医療機関では「医療機器の保守管理」が義務付けられていることをご存じでしょうか。医療機器の安全責任は基本的に医療機関が持っているため、必要に応じて医療機器の保守点検を行わなければなりません。
では、具体的には何を行っていくべきなのでしょうか。今回は
中古医療機器の販売業者であるボンドジャパンが、医療機器の保守点検について詳しくご紹介いたします。
医療機器の保守点検とは?詳細について解説
医療機器の保守点検とは、どのようなものを指すのでしょうか。「保守点検」と聞くと少しわかりづらくなってしまいますが「日常点検」や「定期点検」と聞くと具体性が出てきます。この2つがしっかり行われていなければ、総じて「保守点検が出来ている」とはいえません。
そこで、この項目では日々行う日常点検とある時期に沿って行う定期点検の詳細について、わかりやすくご紹介いたします。
医療機器の保守点検とは?
医療機器の保守点検とは、使用中の機器に故障が発生してしまわないよう、清掃や校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換を行うことを指します。
医療機器における保守点検は「日頃から点検することで、使用中の不具合をできる限り予防する」ことを目的としています。そのため、常日頃から計画的かつ確実な作業でなければ、保守点検の意味をなし得ません。
下記で日常点検と定期点検の詳細についてご紹介していますので、参考にして下さい。
保守点検は義務化されているの?
保守点検は医療法によって義務付けられています(医療法施行規則第1条11項第3号イ)。しかし、「医療機関の保守点検を適正に行うことができると認められる者(医薬品医療機器等法に基づく特定保守管理医療機器の修理業許可を取得している業者等)に委託して行うことも差し支えない」ともされており、修理業許可を取得している外部業者に委託することは問題ありません。(医療法第15の2・医療法施行規則第9条の12)医療機関による保守点検が難しい場合には、修理業の許可を取っている業者に依頼し点検を行う必要がある、というのが法律の趣旨となります。
「日常点検」「定期点検」の違いについて
日常点検と定期点検には明確な違いがあるのでしょうか。日常点検は基本的に「毎日行うもの」定期点検は「節目に行うもの」ですが、期間はもちろん、どの項目を点検するか、誰がどのように点検するのかなど、双方に大きな違いがある点検です。
この項目では、日常点検と定期点検の違いについて、プロ目線で詳しくご紹介いたします。
日常点検
医療機器を安全に使用するために毎日行われ、安全を担保するための簡易な点検が「日常点検」です。主に以下の3つに分類されます。
1.始業時点検
始業時の医療機器に対し、基本的な性能や安全を維持するため行う点検作業を指します。外観や動作に問題はないか、さらには機器の安全装置や警報装置、使用する消耗品など、使用時の故障を発見するために行います。
また、医療機器が消耗品と組み合わせて使用される場合には、消耗品を組み合わせて行います。
2.使用中点検
使用中の医療機器の動作に問題がないか、正常に稼働しているかを確認する点検作業を指します。動作が正常であること、警報や動作設定が正常であることを、時間ごと(30分、1時間など適宜)に確認していきます。さらに、医療機器メーカーなどと一緒に点検すべき項目を設定した「点検表」を使用して記録していきます。
3.終業時点検
医療機器の使用後に、安全性や部品の劣化、性能の問題がないことを確認するための点検作業を指します。主に外観と作動の点検、さらには診療を受けていた患者の状況に変化がないこと、安全に実施できたことを就業時点検表で確認していきます。
上記のように、日常点検の記録は点検表を使用して毎日実施し、記録の保管は薬事法に準じて3年もしくは有効期限に1年を加えた年数です。
用紙による管理の他にも、一定の条件を満たした電子媒体(パソコンなど)でも記録と保管ができます。
定期点検
一定の期間使用された医療機器(1ヶ月、3ヶ月、半年、1年など適宜)を詳細に点検することを指し、日常点検とは別の点検となるのが「定期点検」です。機器の性能を確認し、医療機器メーカーが提供している消耗部品を交換し、次回行われる定期点検まで、医療機器が本来持つ性能をしっかり発揮できるよう行われる点検です。
以下のようなものがあります。
- ・電気的安全性の点検
- ・外観の点検
- ・機能の点検
- ・性能の点検
- ・部品(消耗品)の交換
定期点検には、専門的な知識・技術が必要とされ、点検のためには工具や検査機器(測定機器等)が必要となります。
医療機関が行うのが難しい場合には、医療機器メーカーや医療機器販売業者などの外部の専門業者に依頼することも可能です。その際に作成、提出された定期点検報告書は厳重に保管しておかなくてはなりません。
保守点検は法律で定められている重要かつ必要な点検です
医療機器は、保守点検を正しく行ってこそ、その性能を発揮できます。法律で定められている要項はもちろん、適切に実施しなかったことにより医療事故が発生した場合には、医療機関に対して管理責任が問われ、問題に発展する可能性もあります。
保守点検は、医療従事者・患者双方にとって必要不可欠なものです。必ず実施し、安全に医療機器を使用することが重要です。
保守点検を実施して医療機器を安全に使用しよう
今回は医療機器の保守点検についてご説明いたしました。医療機器を安全に長く使用するためにも、保守点検は必要なものになります。
また、保守点検を行っていたとしても医療機器の故障や、機器の更新などで買い替えを行うタイミングがあります。弊社ボンドジャパンでは、医療機器の買取を実施しております。故障している機器など価格がつかないものでも、無料でお引き取りが可能な場合もございますので、機器の処分をご検討の際にはお気軽にご相談ください。
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