医療機器の中でも老舗といえる実績を持つのが、キャノンメディカルシステムズ株式会社です。元々は東芝グループの傘下でしたが、キャノンに株式を譲渡されて名称を変えています。時代や企業の変化に対応しながら、2015年に医療機器メーカーとして100周年を迎えた企業です。
非常に長い歴史を持つメーカーですが、どのような事業と製品を展開しているのでしょうか。今回はキャノンメディカルシステムズ株式会社の概要や事業内容、主力製品の特徴についてご紹介いたします。
キャノンメディカルシステムズの概要
商号
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キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(CANON MEDICAL SYSTEMS CORPORATION)
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創業
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1930年 (昭和5年10月)
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設立
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1948年 (昭和23年9月)
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社長
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瀧口 登志夫
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本社
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栃木県大田原市下石上1385番地
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Tel
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0287-26-6211
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資本金
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207億円
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業務内容
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医療用機器(X線診断システム、CTシステム、MRIシステム、超音波診断システム、放射線治療装置、核医学診断システム、検体検査システム、ヘルスケアITソリューション など)の開発、製造、販売、技術サービス
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医療機器事業は100年突破!キャノンメディカルシステムズ株式会社の事業内容は?
2015年に医療機器事業として100周年を迎えたキャノンメディカルシステムズ株式会社は、2016年3月まで東芝グループの企業でした。
X線、CT、MRI、超音波画像診断装置(エコー)などを手がけ、医療機器の製造販売では日本で1位、世界では4位を誇ります。日本のCTにおけるシェアは60%、エコーシェアは35%と共に1位です。
その他にも、カルテ入力やレセプトの作成を行うレセプトコンピュータ、電子カルテ、検体検査システムなど、多彩な医療機器を開発しています。
東芝からキャノンに全株式が譲渡され、キャノンの子会社となってからは、親会社の技術である画像処理技術を組み合わせ、製造工程においてもキャノンの技術を導入して生産効率を高めています。
医療機器事業において他社の追随を許さないトップクラスの企業です。
キャノンメディカルシステムズ株式会社が提供する主力製品と特徴について解説
キャノンメディカルシステムズ株式会社が提供している主力製品は非常に幅広いものがあります。この項目では、その中でも主力といえる製品について、キャノンメディカルシステムズ株式会社が持つ特徴を交えながらご紹介いたします。
血管まで撮影できる!最新型MRIは「FBI撮像法」を導入
「FBI撮像法」とは「Fresh Blood Imaging(フレッシュ・ブラッド・イメージング)の頭文字を取った略語です。従来は血管を撮影するのに、造影剤を静脈やカテーテルを用いて直接血管に点滴する必要がありました。しかし、造影剤は安全がある程度確立されているものの副作用の懸念が残り、病状や体質によっては10~20万人に一人の割合で死亡する事例もあります。
キャノンメディカルシステムズ株式会社は、その造影剤が持つ「リスク」をなるべく軽減するべく、造影剤を使用しなくても血管を撮影できる技術を開発しました。
FBI法では、カメラのシャッタースピードを速くするように、動いている血液の信号を捕捉します。その信号は白く描かれ、血液が強調された状態の画像となって表示されるのが大きな特徴です。
特に四肢の血管の病気の診断に有効だとされ、多くの病院で導入されています。
いち早く「命を救う」診断のために。脳卒中救急の現場で活躍するCTを
急性期脳梗塞(脳卒中)の治療は、1分1秒の時間を争います。血管が詰まってから、脳細胞は時間を追うごとに壊死し、ダメージが広がることは非常に有名です。
しかし、近年の医療技術の発達により、発症してから4.5時間以内であれば、血栓を溶かす薬剤を投与することで、ほぼ日常生活に支障がない状態にまで回復することが可能になっています。
ただし、治療を行うには必ず検査が必要となり、1時間程度はかかります。発見から検査、治療までをいかに素早くするかが、脳卒中からの速やかな回復を左右するのです。
キャノンメディカルシステムズ株式会社のCTはその「1分1秒」にこだわっています。脳のCT撮影はトータルで約2分というスピード解析でありながら、ノイズをできるだけ提言することで高精細画像を提供します。
また、話題のディープラーニングを用いた学習機能も持ち、大幅なノイズ低減効果と安定した画質向上を実現させています。
心臓を守り、命をつなぐ。カテーテル治療に欠かせない血管撮影装置
脳卒中と並んで時間との勝負になるのが、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)です。動脈硬化の進行で心臓への血液の巡りが悪化する、または血管が詰まってしまうことで心臓に重大なダメージを与えてしまい、最悪の場合心不全を招いてしまいます。
この虚血性心疾患に有効なのが「血管内治療(IVR)」です。カテーテルと呼ばれる非常に細い管を、血管の内側に挿入して治療します。カテーテルを用いた手技で治療を行うため「カテーテル治療」と呼ばれますが、このカテーテル治療に欠かせないのが「血管撮影装置(Angiography)」です。
キャノンメディカルシステムズ株式会社では、この血管撮影装置も開発しています。X線を照射し、造影剤を注入していくことで、血管の様子をリアルタイムに映し出せます。
また、小児心疾患にも対応できるよう、外科的治療とカテーテル治療を同時に行える「ハイブリッド治療」に対応している点にも注目です。小児循環器では造影剤の量を低減する必要があり、的確な医療機器と医師の技術が問われます。キャノンメディカルシステムズ製の血管撮影装置であれば、あらゆる心疾患に対応することが可能です。
最新の技術で命を守る力になる!キャノンメディカルシステムズ株式会社の今後に注目
キャノンメディカルシステムズが開発・販売している医療機器には最新鋭の技術が組み込まれています。それはどれも「時間短縮」「高精細な画像」といった「命を守る」ために開発されたものばかりです。100年以上続く医療機器メーカーだからこそ、医療の現場で何が重要視されているのかを理解しているのでしょう。医療従事者にとっての心強い味方が、キャノンメディカルシステムズ株式会社である、ともいえます。
最新の技術で命を守る力となる、キャノンメディカルシステムズ株式会社の今後に注目していきたいですね。
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