「オリンパス」というと、一昔前は「カメラ」のイメージが強かったのではないでしょうか。CMも積極的に放送され、多くの方がオリンパスという会社を知る一因になったのは間違いありません。
しかし、近年のオリンパスは医療分野、主に内視鏡での活躍が目立ってきています。1年半以上続く新型コロナウィルスとの戦いについても「企業としてどう支援すべきか」を真剣に考え、医師を始めとする医療従事者の方に大きく貢献しています。
そんな医療分野で活躍するオリンパス株式会社とは、一体どのような会社でどのような製品の特徴があるのでしょうか。今回は
オリンパス株式会社について、詳しくご紹介いたします。>
オリンパス株式会社の基本情報
本社所在地 |
東京都新宿区西新宿2-3-1新宿モノリス |
設立年月日 |
1919年(大正8年) 10月12日 |
代表取締役社長 |
竹内 康雄 |
株式公開 |
東証1部(証券コード:7733) |
資本金 |
124,500,000,000円 |
事業内容 |
精密機械器具の製造販売 |
この他にも、事業所や技術開発センター、工場、医療サービスオペレーションセンター(医療内視鏡の修理)、各地に営業所、支店を設置して全国展開を行っています。
また、東京都新宿区、八王子市にはオリンパスのショールームが設置され、オリンパスの歴史や技術、理念にも触れることができます。
さらに、オリンパスは海外にも複数の拠点があります。中国、マレーシア、インド、韓国、タイ、ベトナムといったアジア圏で内視鏡を始めとした医療機器の製造や販売を行っています。
詳しくはこちらのページもご参照下さい。
オリンパス・国内拠点一覧:
https://www.olympus.co.jp/company/base/office.html?page=company#anc-03
海外拠点一覧:
https://www.olympus.co.jp/company/base/grouplist/asia.html?page=company
創業時はカメラより医療機器だった!会社創設当時のオリンパス
創業当時のオリンパスは「株式会社高千穂製作所」として、顕微鏡事業と体温計事業を柱とする会社でした。オリンパスというとカメラのイメージが強くなっていますが、創業当時は医療分野の開発を主に行っていた会社なのです。
特に「外国製品の模倣ではなく、高千穂独自のものを生み出す」いう考え方のもと、明治末期から大正にかけて初めて国産の顕微鏡を制作しています。開発者3名の頭文字をとって「エムカテラ」と名付けられた日本製の顕微鏡は、多くの評価を得て世に出され、このエムカテラが様々な事業へとつながっていきました。
大正12年に2月には体温計事業を売却し、顕微鏡事業の拡充を図っています。その後、顕微鏡で使われたレンズを応用してカメラを開発し、一躍その名を国民に知られるようになったのは有名ですね。
ちなみに、カメラ第一号の名称が「セミオリンパス1」であり、その後「オリンパス光学工業」へ、2003年に「オリンパス株式会社」に社名を変更しています。
※現在、オリンパスはカメラを含めた映像事業全般を子会社に譲渡しています。
「数字の先へ」進むオリンパス内視鏡の特徴
日本の内視鏡は、世界でもトップレベルの技術と水準を誇ります。特に、医療分野で内視鏡を使った診断がここまで普及している国はありません。「誰もが受けたことのある」内視鏡は、世界でも屈指の技術と水準、品質があってのことなのです。
特に、内視鏡に関してオリンパス製の製品は評価も高く、多くの医療現場で使われています。
オリンパスは消化器内視鏡シェア70%、治療可能な疾患数は100を超えています(2020年11月時点)。しかし、オリンパスはこの数字に満足することなく「さらにその先へ」進み続けています。
この項目ではそのオリンパス製内視鏡の特徴について、詳しくご紹介いたします。
もっと気軽に、もっと身近に。オリンパスの内視鏡は「壁にぶつかると曲がる」
「内視鏡検査」と聞くとまだまだ「痛い」「苦しい」イメージがあります。しかし、以前と比較しても内視鏡は直径が細くしなやかになり、できるだけ苦痛が軽減されるよう最大限工夫が凝らされています。それでも「完全に苦痛が取れる」というわけではありません。
例えば大腸は非常に曲がりくねっている臓器で、場所によっては90度以上に曲がっていることがあります。大腸の内視鏡は挿入や挿入後の操作も難しい一面があり、患者への苦痛が取りにくい検査でもあるのです。手技に長けた医師はそのような難しい箇所でも切り抜けられますが、オリンパスは「もっと気軽に、もっと身近に」多くの医師が簡単に使えることを考えました。その結果生まれたのが、大腸の腸壁に当たって力がかかると自動で曲がる「受動湾曲」です。腸壁を押す力を曲げて進む力に変換し、患者の負担を軽減するように設計されています。
より見やすく、より見つけやすく。がんの早期診断に役立つ「NBI」
NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)は、オリンパスが独自に開発して2006年に実用化した観察技術で、光の三原色である赤・緑・青(RGB)から赤を抜いた青と緑の光で観察するというものです。
がんなどの腫瘍は細胞を増殖させるため、毛細血管を使ってエネルギーとなる養分を集めます。そのため、粘膜表面の毛細血管がどう集まっているか、どういう形状になっているかが大きな鍵となります。
NBIは血液中のヘモグロビンが青色の光を吸収するのを応用して粘膜表面の毛細血管を浮かび上がらせやすくすることで、「より見やすく、より見つけやすく」微細な病面部を見逃さないようサポートします。
コロナ禍だからこそ、安全な医療を。「内視鏡検査用防護用具」を開発
世界的な影響を及ぼし、日本でも大きな問題となっている新型コロナウィルス問題。医療現場へのダメージは決して小さなものではありません。
コロナ禍は内視鏡検査を「止めるリスク」をあぶり出したともいえます。緊急事態宣言が発出されてから、内視鏡学会では「緊急性のない手術は先送りにする」「手術する場合は防護服を着用の上行う」という指針が出され、本来できる手術ができない「医療萎縮」が起き始めていました。
そこで、オリンパスは「内視鏡検査用防護用具」の開発に着手しました。患者の顔やお尻は内視鏡の挿入部、処置具を覆うドレープ、操作を覆うカバーを用いて感染から防護します。
さらにマスクに吸引ポートと換気ポートを正続することにより、検査や治療時に発生する飛沫やエアロゾルの吸引にも成功しました。
医師を始めとした医療スタッフは、挿入部分に一度も触れることなく内視鏡の検査と治療を完了することができ、コロナ禍でも安全な医療が提供できるようになっています。
オリンパスの熱意と最新技術が込められた製品に注目
オリンパスは内視鏡の開発はもちろん、内視鏡検査用防護用具に代表されるように、時代や医療従事者、患者のニーズに応じた製品にも重点を置いています。今後もこれらの機器は評価され、一層の注目を浴びていくでしょう。
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