「富士フイルム」と聞くと、会社名が示す通り「フイルム」の会社というイメージがまだ強いかもしれません。しかし、近年は医療分野にも進出し、大きな評価を得ている企業です。
では、一体どのような医療分野でどのような機器を開発・販売しているのでしょうか。今回は富士フイルム株式会社について、その概要や事業内容について詳しくご紹介いたします。
富士フイルム株式会社の概要
会社名 |
富士フイルム株式会社 |
取締役会長・取締役会議長 |
助野健児 |
代表取締役社長・CEO |
後藤禎一 |
本社 |
[東京ミッドタウン本社]
〒107-0052
東京都港区赤坂9-7-3
TEL:03-6271-3111(大代表)
[西麻布本社]
〒106-8620
東京都港区西麻布2-26-30
TEL:03-3406-2111(大代表)
|
設立 |
2006年10月2日 |
資本金 |
40,000 百万円(2021年3月31日現在) |
単独正社員数 |
4,655名(2021年3月31日現在) |
連結正社員数
※富士フイルム株式会社および関係会社の連結正社員数です。 |
37,151名(2021年3月31日現在) |
事業内容 |
イメージング ソリューション(カラーフィルム、デジタルカメラ、光学デバイス、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、インスタントフォトシステム等)、ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション(メディカルシステム機材、ライフサイエンス製品、医薬品、グラフィックシステム機材、ディスプレイ材料、記録メディア、電子材料)の開発、製造、販売、サービス |
国産メーカーとしての誇りを胸に。富士フイルムの歩み
富士フイルム株式会社の起源は、1919年(大正8年)にまで遡ります。当時は写真用の「乾板」を製造していました。この乾板をフィルムベースにしたのは当時の技術者達であり、これが富士フイルムの「原点」ともいえるチャレンジです。
その後の奮闘で、富士フイルムがフイルムでトップシェアを持ったのは1960年代でした。年末年始にCMで「お正月を写そう」というキャッチフレーズが生まれたのはこの頃です。耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、カメラのデジタル化が進むと共にフイルムの需要は徐々に落ち込んでいき、2009年には会社全体の5%にも満たなくなっていました。
そこから持ち上がるべく、デジタルカメラそのものやインスタントカメラ「チェキ」等初心者向けからプロフェッショナル向けまで各種カメラを販売し、2014年時点で黒字化に成功しています。
「フイルム」から「医療機器」へ。富士フイルムは医療機器にも強い!
上記でご説明したように、富士フイルムは元々フイルム会社でしたが、1965年から医療用X線フイルム自動現像機の販売・サービスを開始しました。
そこから年々進歩を続け、1981年に世界で初めてX線画像のデジタル化に成功。1999年に医療用画像システムを開発して医療のIT化・ネットワーク化を推進すると共に、2000年に入ってから内視鏡事業・超音波事業に参入。65歳以上の高齢者が、日本の人口の30%を超えるといわれる「2025問題」に向けて、診断分野へのAi導入や在宅医療においても可能なX線診断装置の開発、地域医療連携の実現等を続けています。
富士フイルム株式会社の医療機器にはどんなものがある?
ここまで、富士フイルムの歴史や医療機器の概要についてご紹介してきました。ここからは富士フイルムがどのような医療機器を開発・販売しているのか、具体的な機器を交えてご紹介いたします。
1.鼻から入って負担が少ない「経鼻内視鏡」
胃カメラは胃がんの早期発見等様々な病気の発見につながりますが、あの「おえっ」という感覚が苦手で内視鏡検査を受けたくない…という方は多くいます。
富士フイルムが開発した経鼻内視鏡は鼻から入るわずか5.9ミリの内視鏡です。経鼻内視鏡は鼻から入れるため、舌根を刺激することがありません。そのため、あの嫌な嘔吐感が少なく、検査中は医師とも会話が可能です。経鼻内視鏡を経験した97%以上の方が「次回も経鼻内視鏡を選ぶ」とアンケートに答えています。
2.小さな変化を見逃さない「マンモグラフィ」
乳がんは年々増加しています。1996年以降、女性がかかる悪性腫瘍の1位でありながら、日本での検診率はまだまだ低い現状があります。アメリカは約70%の女性が受けるのに対し、日本は18%程度です。
マンモグラフィは「女性があまり好まない検査」だからこそ、一度でいかに高品質な画像を撮影できるかが求められます。富士フイルムのデジタル医療画像は、乳がんの前兆である微細石灰化などがより見やすく、見つけやすいように最先端のテクノロジーで画像解析を行います。安定したX線診断画像で、小さな変化も見逃しません。
3.過去と現在を比較できる?最新の「レントゲン」
女性の悪性腫瘍第1位は乳がんですが、日本人全体でいうと、実は「肺がん」が1位になります。肺がんの早期発見に有効な検査が、レントゲンです。
医師は、過去と現在のレントゲン画像を比較し、過去の画像から変化した部分がないかを慎重にチェックします。変化した部分にがんの疑いがあることが多いからです。
画像を重ね合わせられれば理想的ですが、身体の向きや体型の変化等の違いがあり、画像を完全に重ねて比較することは難しいのが現状でした。
そこで、富士フイルムは過去の画像を現在の画像に合わせて補正する「特殊マッチング技術」を開発。胸部の組織を高精度で重ね合わせて、変化した部分をわかりやすく表示するようにしました。
医師の診断を助け、がんの早期発見に役立つ画期的な機能として、多くの方が評価しています。
医療従事者にも患者にも適切で確実な医療を!富士フイルムの挑戦は続きます
近年のコロナ禍は医療の様々な問題を浮き彫りにしました。特に医療の面では医療従事者・患者双方にできる限り負担の少ないものが求められています。
富士フイルムが目指すのは医療従事者・患者双方にとって「適切かつ確実」な医療の提供です。その実現に向けて、富士フイルムは日々進化を続けています。
今後の富士フイルムにも注目していきたいですね。
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